北方町の小児科クリニック。杉山こどもクリニックです。

不完全接種者に対する日本脳炎ワクチン接種の対応

　日本脳炎ワクチンの効果を確実にするためには，基礎免疫を完了させ，その後の追加免疫によって，感染防御に必要な中和抗体価を維持する必要があります。

　基礎免疫をまったく受けていない人に対しては，初回接種から免疫を始め，翌年に追加接種を行ってください。
（７歳５ヶ月を超えた時は任意接種になり自費での予防接種となります）



注意事項　
　平成7年4月2日から平成19年4月1日生まれの人には、
　特例対象者として6か月以上20歳未満の間、
　日本脳炎定期予防接種（第1期及び第2期）ができるようになりました。
　（上記生まれの人は、これまで接種対象外でした7歳半から9歳未満または13歳以上20歳未満も対象となります。）

　平成7年4月2日から平成19年4月1日生まれの人には、
　13歳以上20歳未満も第2期日本脳炎予防接種ができるようになりました。
　（ただし、積極的な勧奨は行なっておりません。）　　平成２３年５月２０改訂


下記に具体例を紹介します。

１、基礎免疫のうち，初回接種を１回受けたあと１年経過した場合。
　１回のみの接種では基礎免疫は不十分ですが，１年後であればある程度の免疫は維持されていると考えられるので，初回からやり直す必要はありません。
　あと２回接種することで基礎免疫の完了としてよいでしょう。
　2回目をしてから、6ヶ月以上開けて３回目を接種する。　

２、 基礎免疫のうち，初回接種を１回受けたあと３年経過した場合。
　この場合は免疫の維持が期待できないので，初回からやり直してください。
　（この場合1回分は任意接種で自費での予防接種となります）

３、 基礎免疫のうち，初回接種を２回受けたあと５〜６年経過した場合。
　２回接種していれば免疫がまず維持されていますので，追加として１回受けてください。その後の追加も確実に受けるようにしてください。

４、 基礎免疫は完了しているが，追加接種を行っていない場合。
　基礎免疫は５年後でもある程度の抗体が維持されていますので，まず追加として１回受けたあと４〜５年毎に追加してください。
　なお，２期の接種以降は任意接種として受けることになります。




予防接種法に基づく現行の定期予防接種スケジュール
第1期（3回）

　　初回接種（2回）：生後6か月以上90か月未満（標準として3歳）

　　追加接種（1回）：初回接種後おおむね1年後（標準として4歳）

第2期（1回）：9歳以上13歳未満（標準として9歳）

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