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北方町の小児科クリニック。杉山こどもクリニックです。

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小児科のメモ帳

RS ウイルス感染症 (RSV)


【原因】 RSウイルスの飛沫感染、接触感染

【感染しやすい時期】通常、3〜8 日(呼吸器症状のある時期)、乳児では 3〜4週

【潜伏期間】 2〜8 日

【症状】 発熱、咳、鼻水などで発症します。2 歳までにほとんどの子どもが感染します。 2 歳以上にも再感染し、成人もかかりますが、年長児では少し咳の目立つかぜ程度です。乳児が初めて感染すると、ぜいぜいや呼吸困難が出現することがあります。

【合併症】 中耳炎、肺炎、細気管支炎など。乳児では、呼吸困難により入院して呼吸の管理を必要とする場合があります。特に、3 ヶ月未満の乳児やハイリスク児(早産児、先天性心疾患や慢性肺疾患を持つ児)は高率に重症化します。新生児では、熱や咳をあまり認めず、 呼吸状態が悪化することもあります。

【診断】 症状や周囲の流行状況からある程度、診断することができます。鼻汁を用いた迅速検査で診断が確定できますが、すべての子どもに行う必要はなく、欠席の目安でもありません。(医療機関では、1歳未満、入院したお子さんおよびパリビズマブ製剤の適応となる お子さんにしか、(医療保険内では)迅速検査を行うことができません。)

【治療】 症状をやわらげる対症療法が主になります。粘り気が強い痰や鼻汁が絡むことで、 息苦しさが増します。水分補給で痰や鼻汁の粘り気を少なくすること、頻繁に吸い取ること が大切です。重症例では、入院の上、酸素投与、点滴、呼吸管理などを行います。 

【予防】 有効なワクチンはありません。乳児と接触のある保育者などは特に、流行期に咳 エチケット(咳 せ き のある人はマスクをする)や手洗いの実施が求められます。上記のハイリス ク児に限り、流行期前にモノクローナル抗体(パリビズマブ製剤)という薬を繰り返し注 射することにより、発症の予防や軽症化が期待できます。集団生活においては、年長児から 乳児への感染を防ぐために、流行期には乳児と年長児の接触をできるだけ避けることが大切です。

【登校(園)の目安】 成人や年長児の軽いかぜがむしろ感染源になるので、RS ウイルス 感染症は学校保健法上、出席停止の疾患ではありません。保育所における感染症対策ガイドラインでは医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症になっています。発熱や咳などの症状が安定し、全身状態がよくな れば登校(園)可能です。

★ 変わったことがありましたら受診して下さい。

RSウイルス感染症は、乳児にとってはインフルエンザよりはるかに重症で す。年長児や成人には少し咳のめだつ“かぜ”程度でしかないことも多く、幼児も元気なら出席停止の必要はないですが感染源になります。したがって、流行期に“かぜ”にかかった時にも、特に6ヶ月未満の乳児と接触しない、どうしてもの場合は咳エチケットなどの配慮が必要です。入院を必要とするような乳児の重症のRS ウイルス感染症は、ほとんどが同胞(兄、姉、両親、祖父母) からの感染と考えられます。 その意味では、年長児にも RS ウイルス感染症の迅速検査が認められるとい いのですが、現在、診断検査の保険適応は次の人たちに限られています。 @ 1 歳未満の乳児 A 入院中の患者 B パリビズマブ製剤の適応となる患者   






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